
オペラ修行の旅1 ドイツからウイーン編
オペラ演出の勉強をすることを決意して、なけなしの貯金から片道の航空券を購入し(そのころはまだ韓国航空社で片道航空券を発売していた。)、心配する両親には「いつ帰ってこられるか分からない。帰りの切符が買えるようになったらね。」と言い切って右も左も分からぬ知り合いのほとんどいないベルリンへ、かばんひとつで威勢よく出かけたのは2002年の春のこと。 その当時はアルバイトも思うようには見つからず、住居も決まらず、生活費削減として交通機関は使わず広いベルリン中を、雨の日も、雪の日も、氷点下20度の寒空の中も、小さな自転車で移動、また食事はジャガイモを主食に安く手に入るキャベツとたまねぎだけで毎日工夫を凝らしながらおかずを作り粗食生活の日々、『オペラを勉強する』という熱い気持ちだけを胸に心は軽く、懐も軽く、それでも毎日元気に街を闊歩していたことを思い出します。 そんなすこしサバイバル的な生活をしていたベルリンを離れウイーンに移り住んでもう数年たちます。ここ音楽の都ウイーンでは街中すべてのものからクラシック音楽があふれているような気さえします。ふとするとひょっこ