石の上にも5年!オペラ団体、オペラポムルージュ始動開始の2015年を振り返って

January 10, 2016

 

 

あけましておめでとうございます。

皆様はどのような新年を迎えられたでしょうか。

私はフランスから来ていた友達と一緒にニューヨーク マンハッタンのど真ん中にあるタイムズスクエアで年越しのカウントダウンを体験するという、なんともラッキーかつ楽しい幕開けでした。

 

昨年2015年は、振り返れば色々な人に助けられながらオペラの夢に向かって一歩前進できたとても幸せな一年でした。

 

その前の年後半くらいから、新鋭の作曲家たちから新作オペラ企画の誘いが幾つも舞い込んでくるようになってきて(うれしい悲鳴である。)、そんなたくさんの個性豊かな楽譜に埋もれ、イマイチ道筋が見えないと頭を抱えているなか(そのような個性豊かな楽譜たちはダイヤモンドの原石になりそうなものもいくつもあるのだが、どのように磨いていけば舞台で光り輝くようになるのか、はたまた残念だがただの石ころで終わってしまうのか、見極めるのにはなかなか時間と膨大な想像力、エネルギーがいる。それらを見分け、可能性を見出せたら演出家、いや劇場支配人冥利に尽きるのだろう。)、1月末にウイーンとベルリンとバイロイトに里帰りすることが叶い、以前から信頼する恩師や昔の仕事仲間に相談する機会を得られた。またウイーンでは昔一緒にオペラをやっていた仲間と再会し、ウイーンでやっていたあの人気の作品、「子供用ヘンゼルとグレーテル」をニューヨークでもしたらいいのに、と励まされ、いつか再演するかもしれないからと、2007年のウイーン最後の公演以来、なんと屋根裏部屋に8年間も保存していてくれた衣装を手渡してくれた。

 

そんな懐かしの衣装とともにニューヨークに戻った2月。お稽古やプロダクションを始めたいけど練習場所を借りるのも人を雇うお金もないし、、と前に進めずにいたところに出会ったA先生ご夫妻から笑顔とともに言われた一言、「オペラごっこしよう!」が胸に魔法のパウダーのように降りかかり、それまでずっと私の頭を支配していたカチコチなイメージ「オペラの企画にはお金がかかる=まだ無理」がすこーしづつ溶けていった。

 

春には私のニューヨークの大親友、M氏とJさんがめでたくゴールイン!そのお祝いの一つとして4月に企画された、花嫁によるカーネギーホールでのソロピアノコンサートの芸術監督という大役を仰せつかり大張り切り。3月4月はその準備であちこち走り回る日々だったがコンサートも大成功、Jさんのピアノは暖かく人柄がじんわりと染みでるような素晴らしいもので、二人の晴れ舞台も大成功で大満足。二人のハッピーな姿から私もハッピーをおすそ分けいただいた気分。

 

「オペラごっこしよう!」の言葉の魔法がすこーしづつオペラ企画の辛いイメージを溶かし始めて来た5月、喉から手が出るほどオペラがやりたい私に名案が浮かぶ。「オペラの公演準備に一番かかる費用は当日の会場費だな。そうだ、ちょうど、(副職として教えている)ピアノ教室で発表会の舞台を借りるのだから、その発表会の後の時間を使って小さなオペラの公演をドッキングさせてしてしまおう!」曲目はかねがね興味があったモーツアルトの「劇場支配人」。これならセットがなくてもストーリーがわかるし(カットを加えて)出演歌手も最小3人と比較的少ないメンバーで済む。話は面白くて短くやれば6分。これなら小さな子供も無理なく見ることができ、オペラなんて見に行ったことがない私の生徒たちにオペラを聴かせる機会にもなり、これは音楽性を教育する意味で意味があるのでは。。。。ということで、全く予算がない中でオペラの公演をなんとか立ち上げてしまった。オペラ団体もこれを機会にポム オペラからオペラ ポム ルージュへ改名し、ホームページも新しくした。これはオペラ ポム ルージュのいわば旗揚げ公演であった。本番は大成功。大いに盛り上がる。(出演者と関係者の皆さんには大変にお世話になりました!)http://operapommerouge.wix.com/home

 

5月はまた、ニューヨーク近辺でご活躍する舞台人女性の大先輩、H先生より人生で初めて、ダンスの振り付け/演出のお声がけをいただく。ダンスというより以前からやってみたかったmovement in musicというテーマ。 作品はマーティンリーガン作曲のお琴とチェロのアンサンブルという一風変わっているがとっても素晴らしい曲「鳥と戯れて」。ニューヨーク在住の新鋭ダンサー小森悠冊、それに幅広い音楽活動を行っているアンサンブル夢乃とのチームで学ぶこと多し。ベテラン陣に囲まれて感謝感激。マーティンリーガン氏のこの曲は花鳥風月の組曲になっており、残りの花、風、月もいつか手がけたいという夢は膨らむ。https://www.youtube.com/watch?v=nU4uidxzGwI

 

夏の頃から助成金申請書類の書き方、という近所でやっていた無料講座に通い始める。理由はもちろん、オペラ団体の活動には助成金集めは避けて通れない道だからだ。この講座、週一くらいのペースなのだが毎回宿題が出て、向こうの要求してくるレベルをクリアしないと次に進めず落第となるので結構大変。最終回に残ったのはわたしを入れてわずか4人!とっても大切なことをいろいろと教えて貰った。それにしてもネイティブでない私の英語の手助けをしてくれた友人たちにここで心からの感謝をしたい。

 

前々から心に思い温めていたオペラ団体の若手育成プログラム(オペラ ポム ルージュの3大ビジネスプランの一つである)のアイディアがあったのだが今までコマを進められないでいたが、M氏の協力とそれから1月に恩師に再開した時にくださった叱咤激励の言葉が背中を押してくれ、それにまた「人性は短い!」と自分に言い聞かせ、こちらも全く予算が立っていないのだが思い切って9月から始めることにする。3人のなかなか将来有望なオペラ歌手の卵たちが応募してくれた。週一回の演技のレッスンを元に進めていくもので曲は生徒さんの選曲に任せているのだが、彼らがちょうど勉強したところだったりオーディションやコンサートで使うという作品を用意してくるのが常である。つまり有名なオペラのワンシーンを扱うことになるのだが、しかしこれが大変に楽しい!本当に楽しい!オペラの名作を取り扱える幸せはなんとも言えない。音楽を通して私の魂は過去の作曲者との対話、そしてその作曲家がいた土地、その時代へとタイムスリップするような気分になる。リハーサルがうまくいくと音楽を通して、歌手と演出家という関係を通り越して一つになれるそんな気もする。長い年月を経て今も歌い継がれているオペラの名作は、やはり名作の理由がある、と納得する瞬間である。

 

若手育成プログラムが軌道に乗ってきた、と感じられてきた秋、ひょんなことから若手育成プログラムのメンバーでオペラ公演をすることになる。

これは夏に助成金申請の講座を受けていた時にテーマにしていた2016年10月にクイーンズ美術館でやらせてもらう話になっている子供用オペラヘンゼルとグレーテルの準備を1年繰り上げて行うというものだ。ウイーンで同じコンセプトのものをやっていたとはいえ、今回はオリジナルのドイツ語ではなく英語に直す作業、ウイーン版は30分弱と短いカットだったのでそれを45分に伸ばす作業、衣装の一部のサイズ直しや、足りない衣装の調達、セットの作成、小道具作り、、などなどやらなければいけないことは山積みだ。時間は本当に限られている。予算はまったくない、人も雇えない!!、、と思いきや、、友達とこの話をしているうちに「楽しそう!やりたい!」と言ってくれる人材が少しづつ集まり始め、アレヨアレヨという間に何人もの制作スタッフや、なんと13人のオーケストラ団員さんにまでお集まりいただいて、公演ができてしまった!!衣装はあちこちから集めた古着、小道具は家からの持ち出し、リハーサル用のピアノや照明機材の一部は寄付でいただいてしまい、セットに使った材料は粗大ゴミ置き場からもらってくるという、なんともすごい舞台裏だったが、関係者全員のエネルギー総集結。足りないところはアイディアと皆の努力でカバーしてしまうというパワー溢れるグループだった。お客様に舞台セットの一部になってもらう、という体験型の公演であったので観客200人分の小道具も毎晩深夜までスタッフで手分けして手作り。こんなに公演への愛が溢れているスタッフ、出演者、関係者のグループが築けたのはオペラの道に入って以来、初めてと言ってもいいかもしれない。全ての人に心からの感謝を伝えたいのとともに、こんなグループを私の手元にお送りくださった神様に大大、大感謝である。

 

2015年はいつもに増して私にとって感謝の年でした。

今年2016年は2015年にいただいた、本当にたくさんの皆様からの愛情、支えなどを無駄にしないように、また一歩そしてまた一歩と焦らずたゆまず歩んで参りたいと思います。今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

雲の間をかき分けてマンハッタンの向こうからのぼる初日の出の写真とともに。

 

釣アンナ恵都子

 

 

 

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